今日も全然猫と関係の無い記事です。
ネコ抜きでもいいよ〜という方は続きをどうぞ。
おまけ画像↓

レジ袋をめぐって今日ももめるおふたかた。
私には恩師が二人いる。
ひとりは大学院の7年間と就職してからの4年間を指導してくれた
大学院の教授。この先生に拾ってもらわなかったら
私は無知無知無知の無知だったと思う。
もうひとりは高校1年生のときの担任のN島先生だ。
彼女はその当時精神的に病みかけていた私の心を
入学式当日に見抜き、緊急度高しと判断して
あっという間に職員室に拉し去った。
N島先生がいなかったら、私は17歳で自殺するか
自傷行為を繰りかえす抗うつ剤中毒患者になっていただろう。
若き日のミック・ジャガーに似ていたので
尊敬と親しみの念を籠めて私たちは彼女を「ミック」と呼んでいた。
もちろん、蔭で(^皿^;)
N島先生は国語科の先生だった。
教師としての評価は生徒によって分かれるところだが
話が哲学的な方面にゆくと、とても高校生相手とは思えぬような
抽象的で難解な思索を語ってやまなかった。
非ミッション系のキリスト教系の学校だったので
教師はたいていOGか、キリスト信者であったが
N島先生はそのどちらでもなかった。
他の教師がみな信仰を持っているのに、彼女は持っていなかった。
そのことを隠そうともしなかったし、
信仰の不在になんら拘泥しているようには見えなかった。
ヒエロニムス・ボッシュの絵が大好きで
フランス哲学に傾倒している先生だったので
職場ではもしかしたら理解者に恵まれなかったかもしれない。
そんなN島先生から葉書が届いた。
時候の挨拶の後に、今年定年退職を迎えたことが書いてあった。
そうだったなぁ、お花のアレンジでもお贈りしようかな…と思いつつ
読み進んで、思わず目を見開いてしまった。
「これからは、まったく新しく生き直したいと考え、しばらく居を転じ、
旅に出るつもりです。現住居には、数ヶ月に一度は戻ることもあるかと
思いますが、基本的には住所不定です。これまで通り携帯電話とも
無縁です。感性の錬磨、思索の徹底ということに、もう一度賭けてみたいと
考えております。 (中略)
これまでのお交わりを心から感謝し、お幸せをお祈りしております。」
「近々パリに発ちます。お元気で。」と自筆で添えてある段まで読み
先生には生きて日本に帰るつもりなどさらさらないことを知った。
なんとカッコいいことだろう。
確か娘さんと息子さんがひとりずつおいでだったはずだが
ふたりとも10年ほどまえに既に独立した。
数年前にはお母様を介護の末に看取ったと記憶している。
1年半ほど前に突然転居なさったのは
今日という日のために着々と準備をすすめていたのか…と
しばし呆然とした。
自分の人生の主役を堂々と務めている。
60歳を越えてなおまだ「全く新しく生き直したい」といって
異国へ旅立つ強さと潔さに、度肝を抜かれた。
訣別の辞は潔いほうが良いですもんね、先生。
私も、先生にとっては過去の遺物ですから
日本に置き去りにし、記憶の小箱にしまいこんでください。
その小箱を開けることが二度とないように、
先生に幸多きことをお祈りしています。
- 2008/04/21(月) 20:58:29|
- 雑記
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| コメント:6
おお、何とも潔くかっこいい先生ですね。
私は、小・中・高の12年間、のんべんだらりと過ごしてきて、社会人になってから、勉強の面白さが分かってきました。
漠然と、何か勉強したいなー、なんて思っていました。
転機は、阪神淡路大震災です。「死」と言うものを、直接感じ怖さを覚えてからは、自分の人生悔いの無い様に、自分らしく自分のために楽しんで生きていこうと、決意しました。おかげで婚期を大きく逃がしましたが・・・。
知らない町で、誰も自分を知らないという事の心地よさは、何ものにもかえ難いです。
きっと先生は、人生のラストスパートを、全速で駆け抜けて颯爽と生き抜いていくのだと思います。
私も、余生はそんな風に潔く生きていきたいです。でも、煩悩だらけの私には、無理かなあ^^
- 2008/04/22(火) 08:28:48 |
- URL |
- まりりん #-
- [ 編集]
>まりりんさん
震災が転機という方は多いでしょうね。
普段、まったく意識していない自分の死を
他人の死や街の崩壊という形でつきつけられて
愕然となさったことと思います。
大きく婚期を逃したって別に構いませんよ!
それもまりりんさんの人生にとっては必然的な時期だったのでしょう。
私は隣近所がみんな私や家族を知っていて
親戚も殆どが東京近県に住んでいて…という
地縁・血縁の強いところでぬくぬくと育ちました。
そのせいか、知己のいない町、何も知らない街で暮らすなんて最も恐ろしいことです。
だから余計に先生の選択に憧れちゃうんでしょうね。
- 2008/04/22(火) 19:00:13 |
- URL |
- nico #KqigePfw
- [ 編集]
こんばんは!
いつも短いコメントですみません(^^;
僕もネコとは関係のないことをブログで書いたりしているので、たまにはいいと思います。
僕の場合は次元が低いですが(^^;
とても関心を持って文章を読ませていただきました。
僕は、nicoさんの撮るお写真が気に入って何度か訪問させて頂いていますが、nicoさんの語る文章も好きです。
nicoさんが今回の日記で書いた想い、先生に届くといいですね。
否、きっと届いているはずです^^
- 2008/04/23(水) 20:09:06 |
- URL |
- おさむにぃ #h/1ZVhMA
- [ 編集]
>おさむにぃさん
お褒め下さってありがとうございます。
猫オンリーのブログにしようと思っているのですが
ぽろぽろと余計なことまで記録してしまいます(^^;
猫を楽しみにいらしてくださる方には
こんな話題で申し訳ないな〜と思うんですけどね。
- 2008/04/24(木) 12:52:23 |
- URL |
- nico #-
- [ 編集]
自分のしたい事を出来るというのは、意外に難しいものですよね。
己をより深く知る、高めるのも中々私には出来ないっす。
私の保護猫、ワタル君とすーちゃんの里親さんはN島先生と似た生き方をされている方でしたわ。
カッコイイ生き方、してみたいけどまだまだ腹くくれてないからな〜。
ま、いずれその内また今度!
- 2008/04/29(火) 15:13:14 |
- URL |
- 赤ツナギ #-
- [ 編集]
>赤ツナギさん
無理してかっこつける必要はなくて
自分がやりたい、やれる、となった時に跳べるのが理想的ですよね〜
私もカッコイイ生き方はまだまだできそうにないです。
未練たらたらですし、臆病風にも吹かれますし(^^;
N島先生も「このラウンドは生ききった!」と思ったからこそ
次のラウンドに颯爽とのりだしてゆけたのだと思います。
- 2008/04/30(水) 18:53:21 |
- URL |
- nico #KqigePfw
- [ 編集]